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ネギ坊主に花咲いた 5
5章






 童貞捨てるより先に、処女?を奪われ(しかも、無理やり)――――
 同じ男にファーストキスまで奪われる(しかも、無理やり)――――

 それって、どうよ……

 例え、夢だって……
 いや、夢だからこそ、こんなのって………アリ?
 現実世界だって、俺には女っ気一つないのに、夢の中でまで女の子とナニするより先に、男と全部経験しちゃったなんて(しかも、無理やり)、これはもう、悲惨の領域に入ってきているだろう。

 悪夢云々のレベルじゃなくなっているような……
 こんなことがあと数回続いたら、俺、この夢が自分の深層意識の中にある無意識の願望を投影しているんだって言われても、すんなり納得しちゃうかも……
 うわ~ん、そんなの、すげぇ、嫌!!!!

 考えただけでも“さぶいぼ”が出てきそうなのに、目の前には、まるでこれが俺の願望なんだと言わんばかりに、今日もサリーム・ディーンの姿が………

 なんで、コイツは俺に付きまとうわけ?
 あの塔の日以来、三日と開けずに俺を呼んで、一緒にお茶を飲んだり、ご飯を食べたりしている。
 その度に、着飾らなければいけない俺としては、いい迷惑なんですけど……

 まあ、食事の席に呼ばれたからって、何をされるわけでも、何をしなければいけないわけでもない。
 サリーム・ディーンの給仕は側にいる小姓みたいな人たちがやるし、音楽とかは専門家みたいな人たちが柱の陰とかで演奏しているし、大きな団扇仰いで風を送るのは、侍女たちがやってくれるし。
 俺は着飾って、ただ大人しく料理食ってりゃいいだけだけど…。

「お前の口が利ければな」
 杯を傾けながら言われた台詞に、声を奪われたことを初めて感謝した。
 声が出ないから黙っていられるんだ。もし、会話なんかできちゃったりした日にゃ、何を話せばいいのか、激しく迷うところだ。
 黙っている今でさえ、サリーム・ディーンにじっと見つめられると、落ち着かなくて、居たたまれなくなるのに……

 ホント、なんでコイツは俺を呼ぶんだ?
 まあ、おかげで、一時期冷たくなっていたロコアたち女官の態度も、手の平をもう反回転させたくらい、優しくて親切なものに変わった。

「本当に現金な方たちですわ。コト様が陛下のご勘気を被ったと知った途端に、冷遇しだしたのに、ひとたび御寵愛が集まり出したとなると、以前の仕打ちを忘れたように、すり寄ってくるなんて。本当に身勝手」
 ライラなんかそう言ってプリプリしているけど、頼むからその“御寵愛”っていうの、止めてって感じだ。

 それに身勝手って言ったって、ロコアたちなんかリシャールやサリーム・ディーンに比べたら可愛いもんだよな。レベルが違う。
 どうせ俺の人生(夢の中限定)は、身勝手人間に振り回されるようにできているんだ。

 これはきっと、「こんな人間になっちゃ、宇宙飛行士にはなれませんよ」という、教訓なんだ。
 おまけに、宇宙飛行士には人間性と忍耐力、それから常に冷静であることが求められるっていうもんな。だから、夢でトレーニングしてるんだ、きっと。

 ぼんやりしていたら、サリーム・ディーンが俺を呼んでいたみたいだ。
 リシャールと言われていた間は気づかなかったけど、「コト」と呼ばれた途端に、ピクンと気が付いた俺に、苦笑している。
「リシャールよりも、コトという愛称に馴染んだのか?」

「順応性の高い奴だ」と言われて、そういうことにしておいて貰おうと思った。
 俺は別に順応性に優れているわけじゃない。ただ、コトは元から俺の愛称で、呼ばれ慣れているだけだ。
 
 デザートの果物を食べて、『ごちそうさま』と手を合わせると、「それも不思議な習慣だな」と言われた。
「サルディニアにはそんな風習は無いはずだぞ。食事の前と後にお前がやる仕草、まるで仏教徒のようだ」

 そんな台詞に感心した。
 この世界が微妙に現実に絡んでる云々ではなく、サリーム・ディーンの博識に、だ。
 この男って、節操無しの鬼畜野郎だけど、結構賢い。しかも、ライラが教えてくれたところによると、

「戦士としても一流で、勇猛果敢な戦上手で名高い皇帝でございますよ。サリーム・ディーン・ヤハジール様が18歳で皇位を継がれてから、コトル帝国の領土は倍になりました。治世も安定しておりますし、国の知的レベル向上にも力を入れられ、様々な文化・芸術が花開いておりますとか」
 ―――って言ってたから、支配者としても一流なんだろう。
 惜しいなぁ、これで両刀使いの強姦魔じゃなきゃね、最高なのに。

 けれど、サリーム・ディーンは俺のため息なんかには気づかない様子で、自分もさっさと口と手を拭うと、後はゆったりとくつろいで、俺の様子を観察しだした。
 まただよ。また、これだよ。
 ホント、落ち着かないからやめてほしいのに……。
 嫌じゃないんだけど、何か心拍数が上がってくるんだよな……

 しょうがないから演奏に耳を傾けるフリして固まっていると、15分ほどしてから腕を取られた。
『何?何だよ…?』

 不穏な握り方じゃなかったけど、それなりに力の籠った手に、少し怯えた表情になった俺に、「いいところへ連れて行ってやる」と、サリーム・ディーンが苦笑する。
 いいところってどこだろう―――――そう思って、大人しくついて行った俺が連れ込まれたのは、何だか巨大な石窯みたいなところだった。





 俺は現実に暮らしていた頃は、温泉とか風呂が大好きだった。
 勉強疲れしたところで、満々と湯を張った湯船にゆっくり浸かる。ざざ~っと溢れ出る湯の音を聞くたびに、「ああ~、極楽ぅ~」と思っていた。
 もし、俺が宇宙飛行士になるのに最大のネックは何かと訊かれたら、「シャトルの中に湯船が無い」ということだったかもしれない。

 そんな俺のトレーニングをするかのように、この夢の中にも湯船は登場してきていない。サルディニアでもコトルでも、日本式の満々と湯を張った湯船は無かった。
 サルディニアにあったのは、ヨーロッパのような猫足の優雅なバスタブで、ちょっぴり張った湯を泡泡にして、その中で身体を洗って、後から泡を流すという入浴スタイルだったし、コトルに来てからは、部屋での入浴は、ぬるま湯を張った盥だ。

 共同浴場まで行けば、俺が入りたいような湯船とかもあるのかもしれないけど、知らない人に会うのが嫌で共同浴場には行ってない。
 俺のことは後宮内でも噂になっていたらしくて、なんか、「あいつが公衆の面前で強姦されたやつか~」って目で見られるのが怖かったし、一方的に噂の的にされているのも疎ましかった……。
 だから、コトル式の風呂というのを見たことは無かった。
 サリーム・ディーンに連れて行かれるまでは。



「そなた、まだ、コトルの風呂に入ったことがないのだろう?」

 サリーム・ディーンが言った「いいところ」とは、風呂だったみたいで、俺は巨大石窯の入口で素っ裸にされると、腰に白い布を巻かれた。
 見ればサリーム・ディーンやお付きの小姓たちも同じ格好になっていて、俺は中でも一番性格の良さそうな、アリとか言う小姓に手を引かれた。
「こちらですよ、リシャール様」

 リシャールと呼ばれたから、『その名前は嫌だ』という意味を込めて首を振ると、「ではバンディエ公?」とますますあり得ない呼び名を口にする。
 そんな呼び名こそ絶対嫌!と思って、さっき以上に大きく首を振ると、「冗談です、コト様」と言ってクスクス笑った。

 ってことは、分かっていて言ったということだ。
 なんか、こいつ、見た目ほどイイ奴じゃないのかもしれない。っていうか、どっちかというと、「性格イイやつ」じゃなくて、「イイ性格してる奴」?

 睨むと「すいません、すいません」と軽~く謝って、石窯の中に消えたサリーム・ディーンを追わせるように、俺の背中を押す。
 ちょっと躊躇した。

 だって、俺、こんなキワドイ格好でアイツの前に立っていいんだろうか?
 一回ヤられてるし、キスだってされてるし、俺のこんな格好見たら、アイツ、襲い掛かって来ない?
 う~、どうしよう……。

 そう考えたら思わず腰が引けた俺だけど、アリは俺の心配を正確に把握したようだった。
「大丈夫ですよ、コト様。陛下は基本的には淡白な方なんです。見境なく、襲いかかるなんてこと、なさいませんから」
 ニッコリ笑うアリに『本当か?』って、目線で訊いてみる。

 アリが自信ありげに頷いた。
「ここはお風呂です。お風呂で激しい運動なんかしたら、逆上せてしまいますよ。それに私たちもお側におりますし、だから大丈夫」

 この前は、もっとたくさんの人間がいる中で犯られた―――――と思ったけど、俺の躊躇は石窯の中から顔を出した他の小姓の言葉で立ち消えになった。
「陛下が早く入ってくるようにと申されております」
 ってことは、それは命令ってことだな。言うこときかなかったら、それこそ、この前みたいに罰を与えられる……と。

 しょうがない――――溜息つきつつ決心して、石窯をくぐった俺は、ムッと蒸し暑い中に、ザアザアと流れる湯の音を聞いた。
 薄暗い中、燈明にぼんやり照らされる窯の向こう側半分に、湯が流れだす湯船がある。
 サリーム・ディーンはといえば、湯にも浸からず、湯船の前の石畳みの上に敷物を敷いて、鍛え上げた全身を惜しげもなく晒して寛いでいる。

 溢れだした湯は、湯船の手前に設置された溝に吸い込まれ、どこかに流れていっているみたいで、その大量のお湯に俺の心が一気に浮上した。
 久し振りに肩まで浸かれるんだ!!
 しかも、石窯の半分を占める湯船は、まるで温泉宿の風呂のように広い。それは俺の心をくすぐる広さで、

『ひゃっほ~』
 心の中で歓声を上げた俺は、なぜサリーム・ディーンや小姓たちが湯に浸かっていないのかも考えず、なぜ、石窯の中がこんなにも高温なのか考えもせずに、一目散に湯船に向かった。しぶきを立てて、そこに飛び込むために。
 まさか俺の取った行動が、この後、とんでもない結果を引き起こすなんて、予想もつかなかったんだ。





 バンッと扉を叩き開けるようにして、ラミアの室内に踏み込んできたリシャールは、一目見ただけで、これ以上はないというほど怒っているのだと分かる顔をしていた。
「ラミア、あいつの姿を見せろ!!!」
 薬品戸棚の整理をしていたラミアの姿を見るなり怒鳴る。
 あいつというのが尊のことだと分かって、ラミアは珍しいこともあるものだという思いを、そのまま口にした。

「リシャール様が尊をお気にかけるとは珍しい」
 苦笑しながら水盤の用意をするラミアに、リシャールが口を尖らせる。
「だって、この姿になってから、皆が冷たいのだ。こんな姿になるのではなかった。やはり元の姿の方がよかったのではないかと思う」

「今頃気づかれたんですか?」
 ラミアが愛らしい顔で小首を傾げる。
 本当の年齢は60歳以上というラミアは、どこからどう見てもリシャール年の少女にしか見えず、だからこそ文句も言いやすいリシャールは、今夜も遠慮なく口を尖らせた。

「お前が変な魔法を使えるからいけないのだ。だから私は魔が差したのだ。あの美しい姿を手に入れたアイツは、私より楽しい暮らしをしているに違いない。あの姿なれば、誰からも愛されるからな」

「はいはい、そーですね」
 投げやりなラミアの手が、水面を一撫ですると、水の中に人影が浮かび上がってくる。
 金髪と黒髪と―――――
 が、その2人の姿を見た途端、リシャールが「うわぁ!!」と声を上げて仰け反った。
「な、なんだ、これは。こいつら、何をしておる!!!」
「何って……あなたのおっしゃる通り、尊はスルタン・ヤハジールに愛されているようですよ」

 だが、ラミアの台詞にリシャールは、
「こんな愛され方は嫌だーーーぁ!!」
 大声で叫ぶと、「おのれぇぇえぇぇっ、覚えておれっ!!!」と、誰に言ったか分からない捨てゼリフを残して、部屋を飛び出したのだった。

「やれ、やれ、何と騒がしいこと…」
 肩を竦めたラミアが、水盤を再び覗き込む。
「こちらはこんなに上手くいっているというのに……」
 そんなラミアの見つめる先には、サリーム・ディーンの体の下で、激しく喘いでいる尊の上気した顔があった。


   ------------------------------------------------------------------


 ………なんで…、俺、こんなことされてるんだろう、第2弾だ………。
 ホント……
 なんで………?

 考えても考えても、あまりの急展開に頭が付いて行かない俺の耳に、サリーム・ディーンの低い笑い声が忍び込んでくる。
「身体の力を抜け。今夜はちゃんと感じさせてやる」

 感じさせるって何を?
 なんて聞くまでもなく、俺の股間を大きな手がそっと包み込む。
 袋ごと握り込まれ、腹に押し付けられるように擦られた途端、せり上がってきた快感に声もなく呻いた。

 人に触られるって…こんなに気持ちいいのか…?
 自分でやる時より、目眩するくらいイイ……。
 口閉じてたら、鼻の穴が広がっちゃいそう……とか思って、思わず口を開いたら、軽いキスが降ってきた。

「よしよし、そのまま大人しくしておれよ…」
 石床のラグの上に押し付けて、頭上で俺の両手を拘束した男の口が、胸の突起に吸いつく。途端に股間からの刺激と一緒に感じた痺れに、腰が浮いてしまった。

 サリーム・ディーンの舌が、俺の乳首を転がし始める。
 乳頭に歯を立てられて、むず痒いような痛みに思わず大きく喘ぐと、たちまち肺の中にまで流れ込んでくる熱気に、頭が朦朧となりそうだ。

 そうだよ、こんなにぼんやりして、何も考えられなくなったのは、サウナの中にいるからだ。だから逆上せたんだ……。
 逆上せて、正常に物を考えることができなくなっているから、この男にされていることが気持ちいいって思ってしまうんだ……。

「お前が私を誘ったのだぞ…」
 丹念に胸を舐めて刺激した後、俺の唇に触れるか触れないかのところまで顔を近づけたサリーム・ディーンが、囁くようにそう言った。

 誘って無い……
 俺は誘ってなんか無い……
 誰が男なんか誘うか……

 そう思うのに、腰から絶えず這い上がってくる快感が、俺の抵抗を奪ってしまって、ただ腰を揺するしかできない。
 しかも、それは抵抗っていうより、お強請りみたいなもので、唇を噛んで快感を耐える俺の表情とともに、サリーム・ディーンの微笑を誘ったみたいだ。

 ホント、なんで……なんで俺……

 ただ、湯船に飛び込もうと思って――――

 溢れてるお湯が嬉しくて―――――

 警戒心もなく近寄って、流れる湯に足を突っ込もうとしたところに、「危ない!!」という声が上がって、腰を抱かれて後ろに引き倒された。
 見れば俺を後ろ抱きにして座り込んだサリーム・ディーンが、強張った顔をして見つめている。

「馬鹿か、お前は!!!」
 すごい勢いで怒鳴られた。
「70度以上はある熱湯だぞ!大やけどするつもりか!!!」
 70度?!
 その度数にみるみる顔から血の気が引く。

 なんで、そんな熱湯が風呂の中を流れてるんだよ!―――と思った俺だけど、もしかしてもしかしなくても、この蒸し風呂の中の蒸気は、あのお湯のせいだということに気づいた。
 しかも、この熱いほどに温かい石床の熱源も、溢れ出てどこかに流れてゆく、あのお湯?

 お…俺、そんなモノに触ろうとしていたのかぁ……。
 よかった、考えなしに湯船に入るところだった。
 サリーム・ディーンは助けてくれたんだ。
 そりゃ、「馬鹿」って怒鳴りたくもなるよなぁ……。

 はあぁ~っと安堵のため息をついた途端、背中に当たるサリーム・ディーンの裸の胸の感触に気づいた。
 ぴったりと当たるサリーム・ディーンの胸は固くて熱くて、俺の腰を抱いた腕は力強くて、意識した途端、いつものごとく意味不明の動悸が、ドンッと凄い勢いで俺を襲った。
 なんだか、逆上せそうなくらい、心臓がバクバクする。

 放してほしくて身じろぎした途端、信じられない台詞が耳を打った。
「何だ、私に抱きしめられて興奮したのか?」
 え?!って思って、目をやった股間が、なぜだか知らないけど、緩く立ち上がっている。
 な…な……な………なんでこんなことになっちゃってんの?俺のココ!!

『うわ、うわ、うわ――――こんなの無し。何かの間違い。鎮火、鎮火』
 焦ってワタワタしたのに、腰に回されたサリーム・ディーンの腕は緩まない。それどころか、一層力を込めると、キュッと肌を密着させてきた。
「お前が誘ったのだ…」
 そんな言葉と一緒に、手が……俺の腰に巻いた布の中に忍び込んでくる。

『止めろ~!!』と思ったけど、握り込まれた途端に動けなくなった。
 助けを求めるために回りを見回せば、お小姓たちの姿がいつの間にか消えている。「私たちも側におりますし、大丈夫ですよ」と力強く保証していたアリは――――

 居ねぇじゃねーか、あのヤロー。適当なこと言いやがって!!!
 この石窯の中にいるのは、なぜだか股間を勃ててしまった俺と、ヤる気満々になってしまったサリーム・ディーンだけ。

「心配するな。今夜はちゃんと感じさせてやる」
 ゾクッとくるほど艶めいた声で、サリーム・ディーンが囁いた途端、俺の下腹部に急速に熱が集まって行く。
 あ~ん、勘弁、勘弁。なんで俺の体は意志に反してんの?
 俺の身体の所有者は俺じゃないのか?
 
 けれど、どんなに心の中で喚いても、俺の腰に集まった熱は、全く沈静化しなくて、それどころかどんどん固く張りつめて行く充血を確認したサリーム・ディーンは、ゆっくりと俺をラグの上に押し倒したのだった。





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